ポリラボ ~多言語学習研究所~

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【フランス語】準1級大問4~8【長文読解編】

こんにちは!

いつもブログを読んでいただきありがとうございます!


今回は前回に引き続き、仏検準1級の直前対策の第2弾として大問4~8を見ていきます!

 

それではさっそく、大問4を見ていきましょう!

 

大問4からは長文問題になります

 

大問4は「空欄に入る適切な動詞を選択肢の中から選び、さらにその動詞を適切な形に直す問題」です。

 

この大問から長文問題が続きますが、準1級合格のためには長文問題での正答率を上げること、つまり「読解力」が非常に大事になってきます。

 

その理由についてはこちらの動画で話していますので、まだ見ていない方は見てみてください。

 

www.youtube.com



では、ここでは読解力については触れず、問題を解くときの考え方についてお話します。

 

まず、この問題で問われている時制・動詞の活用についてみてみましょう。



不定詞  manger / aller

不定詞の複合形  avoir mangé / être allé❨e❩❨s❩

現在形  je mange…  / je vais...

  

複合過去  j'ai mangé / je suis allé❨e❩

半過去  je mangeais / j'allais

大過去 j'avais mangé / j'étais allé❨e❩

単純未来 je mangerai / j'irai

前未来  j'aurai mangé / je serai allé❨e❩

条件法現在  je mangerais / j'irais

条件法過去  j'aurais mangé/ je serais allé❨e❩

接続法現在  que je mange / que j'aille

接続法過去  que j'aie mangé / que je sois allé(e)

ジェロンディフ(現在分詞) en mangeant / en allant

 

 

以上は能動態での話ですので、これに受動態となったものが加わります。

 

 

活用の可能性はかなりありますが、この問題で問われる活用形にも傾向があります

まずは仏検協会が次のようなヒントを「セレクション」の中に書いていますので見てみましょう

 

仏検協会が受験者に問いたいこと】

 

不定詞や現在分詞の複合形

・複合過去と半過去の使い分け

・推測・反語など、単独で用いられる条件法

・従属節における時制の一致(過去における現在を表す半過去、過去における未来を表す条件法現在など)

・接続法が要求される場合



過去問を解いていると、まさにこれらのことを中心に問題が作られていますので、上記は必ず試験を解いている際にも意識しておきましょう。

 

これに加えて大事なのが、

 

過去分詞の性数一致

 

です。

 

êtreを使う場合についてはこのレベルの方に言うことはありません。

このレベルでの方でも点数を落としてしまうのは次のパターンです

 

1.受動態+性数一致

 

受動態にするところまで気付いたにも関わらず、性数一致を忘れるパターンです。

受動態にするときには性数一致を確認することを絶対に忘れないでください。

 

 

2.直接目的語が代名詞となって前に来る場合

 

 J’ai acheté cette table.

➔Je l’ai achetée

 

というようなパターンです。

複合過去・条件法過去、前未来などのときは、直接目的語にあたる女性名詞を受けた代名詞が前にあるかどうかを確認して下さい。

 

 

3.目的格の関係代名詞の節中

 

la lettre que j’ai lue :私が読んだ手紙

 

のようなパターンです。

2と同じく、直接目的語にあたる名詞が前にあるときには性数一致がおきることを今一度確認してください。




【大問4まとめ】

1:態、法、時制の決定については出やすいものがある

2:過去分詞の一致は必ず確認する

 

 

 

 

では大問5を見ていきます。

 

大問5は長文の空所補充問題です。

空所に入れる選択肢は3単語以上で構成されています。

選択肢は3択になっているため、文章が読めれば得点を取ることは大問4よりもはるかに容易だと思います。

そのため、僕はこの問題にしっかりと時間をかけて丁寧に読むことをお勧めします

なんとなくで読み進めていくのではなく、

 

・前後関係を確認する

・段落ごとに内容を確認する

・訳せないときは、焦らずに日本語訳を空いているスペースに書いてみる

 

単語が8割以上分かるのに、文章が読めない、点数が取れないという人はこれらをやってみてください。

 

特に、知っている単語しかないのに意味が取れない人は「読めているつもり」になっている状態です。これは長文読解をするにあたって非常に危険な状態です。

仏検は、時間的には余裕のある試験だと思います。ですので、1文1文をしっかり読んで、今読んでいるところが前の部分とどのような関係なのか、肯定的な内容なのか、はたまた否定的な内容なのかをしっかりと理解しながら読み進めてください。

そうすれば、正しい選択肢を選ぶことはそう難しいことではありません。

 

大問5のまとめになりますが、この長文が読めない、点数が取れないという人は、

 

1.語彙力が足りない

2.内容をきちんと理解しないまま読んでいる(語彙力がある場合)

 

このどちらかである可能性が高いので、ぜひ自分自身を振り返ってみてください。

 

 

では大問6を見てみましょう。

 

大問6も長文読解になりますが、2択の正誤問題です。

この問題は「言い換え」がポイントです。

正しい選択肢は、本文の内容を別の表現であらわしていることが多いのですが、まれに文章全体に関わっている選択肢もあります。

 

しかし、基本的に選択肢は「文章の流れに沿って並べられている」という特徴がありますので、選択肢と本文を並行して読みながら解いていくことが効率的な解き方だと思います。

 

このような正誤問題では選択肢が「正しい」ことを証明しようとしてしまいがちですが、逆に「間違っている部分を見つける」という意識で選択肢を読むと良いと思います。

それは、この場合、間違っている部分が無い選択肢は正しい、ということになるからです。

 

この問題は2点×8問なので、12点以上を目指して読んでほしいと思います。




それでは大問7を見ていきましょう。

 

大問7も長文問題ですが、こちらは「要約問題」になっています。

この大問7を苦手とする人が多いようですが、それは普段から同じレベルのフランス語の文を日本語に直す練習をしていないからだと思います。

 

この長文に関しては、「フランス語をフランス語で理解する力」ではなく、「フランス語を正確な日本語で説明する力」が求められています。

 

ですので、普段からニュースレベルのフランス語を読み、それを日本語に直して端的に説明するといった類の練習をする必要があります。

 

というのが普段の学習方法でありますが、試験本番ではどうしたらいいか、ということも少し話をしておきます。

 

この問題には設問が3つありますが、どの設問にも「字数制限」が設けられています。

この字数制限は15字~45字あたりとなっていますが、基本的に模範解答は「句読点(、と。)を含んで、指定された字数の8割程度」となっています。

つまり、15字なら句読点を含む12文字、45字なら句読点を含む36字程度ということです。

これをヒントにすると、該当する箇所が見えてきます。

もし、自分の解答が7割以下だったり、明らかに指定された字数を超えてしまうような場合は、解答と思われる本文の個所が間違っていたり、もしくは多すぎるということです。

 

これを念頭において、本番では設問を解くようにしてみてください



以上が大問4~8についてです。

 

次の記事では大問9,そして書き取り試験と聞き取り試験について書いていきたいと思います。【続く】